「アルキメデスは手を汚さない」

アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)

アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)

書店で以前から気になっていた本作をようやく入手。気になっていた理由は、もちろん東野圭吾氏推薦の帯。タイトルもよさげな感じなので手に取りましたが…そっか、これは私が生まれる前の作品なのですね。まあ東野氏が学生時代の作品っていうのだから、そりゃそうか。
で、楽しみに読んだわけですが…。んー。正直、何でこんなに評価が高いんだろう…と思ってしまいました。何というか、正直個人的には期待外れというか、ぶっちゃけあまりおもしろくなかったんですよね。まったくハマりませんでした。
解説を読んで、微妙に「ああ、なるほど」と納得してみたり。本作は「ピカレスク小説」だそうで。それならキャラクターに魅力がなきゃダメで、私自身が登場キャラクターたちに一切魅力を感じられなかったんだから、そりゃおもしろくはないわな。
一言で言うと、おそらくきっと時代と世代が違うのでしょう。共感ができない。伝わらない。というかわからない。これはもう、物理的にどうしようもないことだと思います。
単純に、なんか残念。たとえば私がこの本を手に取るきっかけとなった東野氏は、おそらく非常に共感し感銘を受けて作家を志すきっかけになったということだけれど。まあ確かに同時代に生きていれば、感じるところや憧れるところがあったのかなあ…。
タイトルや最後に明らかになるその意味、そしてその発言者の考え方などは嫌いではありませんが、何せ共感ができず。私自身が生まれる前に書かれた小説というのもやはり要因として大きいのだろうな。
もしも私が学生の頃にこの小説を読んでいたら、今と感想は違ったのだろうか? それは私自身にもわかりません。
ということで、この本に対する評価は、ぶっちゃけできません。さーてと、次は何を読もうかな…。