「手紙」

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

さて、これまた先月読んだ本。案の定、映画化という話題も手伝って、売れまくっているらしい本作。東野ファンとしては、とりあえず読んでおこうか…ということで手にとってみました。

これだけ読みやすいのに、読んでずしっと胸に来るものがあるのは、東野氏ならでは。扱われているテーマがテーマだけに、読んだ後なお、いろいろと考えさせられる部分があります。彼らが選んだ道が正しいのか、それを私自身、判断することはできません。どこかで彼らは間違っていると思う部分があるし、だけどそれ以外選択肢がなかったのかもしれないこともわかるし。リアリティを持って迫ってくる登場人物たちの思いや行動が、胸を苦しくさせました…。
予想していたことですが、ページをめくる手を止めることができず、一気に最後まで読み終えてしまいました。…涙は出ませんでした。感動を押し付けるような物語ではないから。
読んでよかった、と。そう思える作品でした。とりあえずは、それだけ。