「月光ゲーム―Yの悲劇’88」

月光ゲーム―Yの悲劇'88 (創元推理文庫)

月光ゲーム―Yの悲劇'88 (創元推理文庫)

しばらく感想を書くのをサボってしまいました…。先月読んだ本について、立て続けに書いておきます。
まずは、有栖川氏の長編デビュー作、「月光ゲーム」。学生アリスシリーズは非常に評価が高いこともあって、以前から読んでみたいと思っていました。当然のように相方が持っていたので家にはあったのですが、ようやく手に取ることができました。

さて、予想していた通り、シンプルかつストレートなミステリー。読者への挑戦状もあり、作家有栖川氏の原点と呼ぶにふさわしい作品だなあ…と思いました。この長編デビューの時点から、「らしさ」と「こだわり」が明確に出ていて、非常に好感が持てました。ちょっと青臭さもあるものの、そこがまた良い味を出しているようにも感じられたし。
大学生が主人公ということでキャラに感情移入がしやすいのか、非常に読みやすかったですし、アリス、そして江神部長という人物もなかなかに魅力的。学生アリスシリーズは、機会があればまた読みたいと思います。