「逃亡作法」

逃亡作法 TURD ON THE RUN (宝島社文庫)

第1回『このミス』大賞&読者賞ダブル受賞という帯と本屋のポップに目が眩んで購入した本作。正直に言うと、うーん私にはちょっと…という感じだったりします。身も蓋もない言い方をすれば、好みではありませんでした。なんつーか、途中から無駄に長い気さえしてきて、面白みをあまり感じられないまま読んでいましたし。
まるっきり受け付けないわけではありません。表現に少し気になる部分があったりしたし、設定などが興味深い部分もあったし。
でも、個人的にはNG。どうも好きになれないというか。ノワールだからとかではないのです。下ネタが多い（語弊がある書き方だな）とかもどうでもいいのです。でも、個人的に苦手。これで展開にハッとさせられるようなところがあればいいのですが、特にそれもないままに終わってしまったので…。もしかしたら期待しすぎた? とも思いましたが、単純にこういう物語が私に合わなかったというだけなのでしょう。あの帯とポップがなければ、きっと手に取らなかったでしょうし。

そして、ネット上で「舞城王太郎氏に似ている」的なことが書かれていて、ちょっと驚く私。いやいや、もちろん感じ方は人それぞれなのは認めますが、それでも言わせてください。
舞城王太郎氏の文章力とこの人の文章力では、明らかに歴然とした差があるでしょう。
比較することすらちょっとどうなのよ? という感じです。似てない。絶対似てない。惹き付ける力がぜんぜん違う。
と、なぜかものすごい拒否反応が出てしまいました。そう考えると、私って何だかんだいって舞城氏のファンなんだなあ…と実感。やっぱりあの「文章」にそれだけ魅せられてるんだなー。