「隠蔽捜査」

隠蔽捜査 (新潮文庫)

隠蔽捜査 (新潮文庫)

何となく本屋で気になった本書を読了。今野敏作品は初。以前から最近よく平積みで見かけるのが気になっていたのと、「果断」を読みたいと思っていてそのシリーズ1作目ということを知って、ようやく手に取った感じ。
で、読み終えての感想。

めちゃくちゃおもしろかった!!!

いやー、正直、どツボです。ど真ん中かも…というくらい。もともと警察小説とかこういう硬派な感じは大好きなのですが、ここまでツボか!? ってくらい、読んでいる間から楽しくて楽しくて。
何がよいかって、やはり主人公である竜崎のキャラクター。最初は「何このやなヤツ…」という感じなのが、どんどん印象が変わっていく。ああ、こんな人、こんなキャリア、本当にいるのだとしたら、私は心底憧れます。正直、こんな生き方をしたい。こういう一本筋の通った人間になりたい。ああ、好きです。とても。とてつもなく。ああ、何てカッコイイ生き方なんだろう。誰もがこういう生き方をできるとは思わないけれど、でもこう生きたいと願う。生きづらいんだろうな、きっと。だけどきっと彼自身はそうは考えない。間違いなく彼は「変人」だけれど、とてもステキな人だ。「空気を読む」ことの重要性(?)が問われる現代だけれど、やはりそんなことに意味はないのかもしれないと思わされる。それくらい、私は彼に憧れました。そして、彼の家族にも。
読み始めたときの印象から読み進めていくにつれての印象の変化と、そして語り口の巧さとに、とにかく惹き付けられました。個人的には大満足! もちろん、「果断」も読みます。…文庫化されたら。まずは既に文庫化されている今野氏の別シリーズ作品を買ってみましたので、それを読む予定です。
しっかしまあ、自分の好みのわかりやすさに、軽く失笑。いやー、ホント私好きね、こういうの。横山秀夫氏の「陰の季節」を読んだときの感覚を思い出しました。