映画「容疑者Xの献身」

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

ドラマがおもしろかった「ガリレオ」。そして、原作が大好きな「容疑者Xの献身」。ドラマ化が決まった段階から、想像通り本作の映画化も決まっていて、この作品がどのように映像化されるのか、とても強く興味を持っていました。
…うん、期待通り。いや、期待以上、かな? 最近、原作アリの邦画作品ばかりを劇場で見ているのですが、そうした作品の中でもダントツに出来が良かったように思います。原作に忠実だけれど、まるっきりそのままではなくてちゃんと消化していて、丁寧に作られていて、とても良かったです。
ガリレオ」のドラマ化が決まった際には、「湯川先生が福山雅治って! カッコよすぎるだろ!?」と憤り、「容疑者X」のキャストが発表になったときには「石神が堤真一って! やっぱりカッコよすぎるだろ!?」とこれまた憤ったわけですが、いやいや、非常によかったです。
もうだって、後半、この2人の姿に涙しっぱなし。やべーくらいバカみたいに泣いてました。たぶん原作知らない人だと、「どうしてそこで号泣?」と思うようなところで泣き始めてたし。というか石神…。やっぱり石神……。ああ、もう彼のシーンで、どれだけ泣いてしまったことか。でも原作を読んだ際の自分の感想を読み返すと、このときは湯川の方に寄ってるのね、私。こうして改めて映像化されたものを見ると、原作に思い入れがあったんだな、と感じました。しかしまあ、原作は本当に良い作品だわ。原作がこれだけよければ、映画もよい。それを実感。
以下はネタバレ気味。
しかしこう言ってはなんだけど、本当に救いのないというか…誰も幸せになれないラストだなあ。原作通りなので仕方ないけれど、映画版だけの何かがあるのかと思いきや、なかったし。ま、個人的には全体に余計な要素がなかったのはポイント高いんですけど。よかったー。変な湯川と内海の恋愛物語とかなくて。丁寧に、すっきりと、でも伏線の張り方とかちゃんと要所を押さえての映画化で、個人的には大満足でした。
あと、福山さんの数式書くシーンとかなくて、ホント良かった!! ちなみにドラマのときは、あれが違和感でした…。