直木賞に思うこと。


あまりにいまさらな東野圭吾氏の直木賞受賞。
あれだけおめでとうメッセージを書いておきながら、当初はどこか冷めていた部分があったのですが、笑顔でインタビューに応じる東野氏を見ていると、やっぱり単純に嬉しい。
「ヤケ酒を飲みながら選考委員の悪口を言っていた」なんて、しっかり笑いも取ってくださって。「黒笑小説」を読んでいるので、なんだか余計リアルに嬉しいです。
他の作者と違って、6度目のノミネートということで、年齢やこれまでの作品を考えるとどうしても「ラストチャンス」というイメージが付きまとっていたため、単純に喜んでおきたいと思います。
しっかしまあ、「めざましテレビ」で大塚さんにまでツッコまれるくらいですからねえ…。そりゃ、明らかに「いまさら」ですわな。押しも押されもせぬ人気作家の東野圭吾にいまさら「直木賞作家」なんて冠、一切必要ないですし。
白夜行」ドラマとの相乗効果で、東野作品がより一層書店で平積みされることでしょう。


さて、これで今度こそ取らなきゃいけなくなってきたのは伊坂幸太郎氏でしょうか。4度目のノミネートでの落選。ただし伊坂氏の場合はまだまだ若いし、「魔王」「砂漠」と今回の候補作である「死神の精度」よりもレベルの高いと思われる作品を立て続けにその後発行しているので、こちらでの受賞が期待されるところ。というか、この人もいまさら「直木賞作家」なんて冠、必要ないんですけどね。
今回候補になった恩田陸氏、姫野カオルコ氏という作家についても、いまさら「直木賞作家」なんて冠いらないでしょう。荻原浩氏は未読ですが、やったら本屋で平積みされているのを見ていますし。


しつこいのを承知で言いますが、次回こそ古処誠二の受賞を期待したいところ。「七月七日」がかなりイイ線までいったということで、正直期待しています。こういう人にあげてこそ、直木賞でしょう。メフィスト賞出身作家初の直木賞作家(ま、メフィスト出身ではないにせよ、京極夏彦氏という前例はありますが…) 。期待大。


そのついでに、昔書いた文章を発見したのでこの機にここに載せてみる。妄想?