「モダンタイムス」

モダンタイムス (Morning NOVELS)

モダンタイムス (Morning NOVELS)

読みました。んーーーーーーーーーーーー感想が書きづらいっ。とりあえず、待ちに待った伊坂氏の新作(連載されてたけど)であり、厚さと重量なんのその、一生懸命毎日持ち歩いて通勤時に読みました。読みましたよ、ええ。前回の「ゴールデンスランバー」と同じくらい一生懸命読んだ気がします。
あとがきでご本人が書かれている通り、本作は「ゴールデンスランバー」の兄弟作品。「ゴールデンスランバー」にあったものが「モダンタイムス」にはなく、「ゴールデンスランバー」になかったものが「モダンタイムス」にはある。うん、確かにそうだろうな。ただまあ、どっちが好きかは別にして。

もともと、この「モダンタイムス」のベース(というか50年前の世界)である「魔王」は、好きな作品ではあるのですが、どこかちょっと苦手で。失礼(?)な言い方をすると、いつもニコニコ善人スマイルを見せてくれていた伊坂氏が、そのお面を外してダークな部分を全開で出したのがこの作品というような印象があります。私は、仮にお面だったとしても、そのニコニコスマイルな伊坂作品が好きで。だからこそ、伊坂氏のそういうダークな部分を知ったことに驚きと戸惑いがあって(もちろん、「グラスホッパー」などでその片鱗は見えていたけれど)。…でもそうした意外な一面も、やっぱり好きで。というか、それこそがまさに伊坂氏の本質であって、最も書きたいのはこういう作品なのだろうということも納得ができて。まあ、それでも十分ニコニコスマイルな部分はしっかり出ていたからこそ、私は「魔王」が好きなのです。

…長々と書いていますが、要は私は「ホッとできる」伊坂作品が好きなのです。…どこか切なく終わったとしても、魅力的なだけどどこか脱力系のキャラクターや終盤しっかり回収される散りばめられた伏線が好きなのです。だから、私はその「正統派伊坂」(勝手に決めてるし)の王道ともいえる「ゴールデンスランバー」が大好きなのです。

そんな私にとっての「モダンタイムス」。正直にいうと、好きなタイプのお話ではありません。というか、マジで拷問シーンとか、苦手です。というか、無理です。ま、伊坂作品なのでそこはそれで大丈夫だったわけですが。でもやっぱ、苦手め…。とはいえ、最初こそ躊躇したものの、そこは伊坂作品。あっという間にハマりましたが、でも何か微妙にズレる部分がどこかであったり。…これは単純に「モーニング」での連載だったからかなあ、なんて思いました。なんというか、いつもの伊坂作品とはやっぱり違う気がする部分があったのです。結局は、何だかんだいって少し消化不良な部分があるのかも。
おもしろかった。おもしろかったけれど、なんだろう、どこかモヤモヤが残る。それは今回の感想では触れていませんが、本作の内容にも直結しているのでしょう。正直、今回は物語内容についても思うところがたくさんあるのですが、イマイチ今は言葉にできません。そういう感想についても、いずれ書きたいなあ。まとまるかどうかはわかりません。