「終末のフール」
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: 単行本
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気が付いたら書店に並んでいた「終末のフール」を読了。誰が何と言おうと、私は伊坂氏のファンでございます。
さて、本作。終末が明確に見えた世界で過ごす人たちを描いた、8つの連作短編集。その1つ1つの物語の優しさが、登場する人たちの思いが、読み終わった私の心の中に残っています。これまでの作品と共通する、だけど少し異なる、素敵な素敵な伊坂ワールド。
ミステリー色がほぼ払拭されているため、ある意味伊坂初心者にとって読みやすく入りやすい作品になっているかもしれません。広くお勧めできる作品だと思います。
どの短編も心に残っているのですが、一番印象に残っているのは「鋼鉄のウール」でしょうか。伊坂さんの術中にはまっているなあ。
「終末のフール」
実は結構好きかもしれません。何だかちょっと共感できる部分もあったり。本作通して言えることなのですが、素敵な女性がたくさん出てくるなあ。
「太陽のシール」
これまた素敵な女性が登場。ラストがまたいいです。
「篭城のビール」
一見伊坂作品ぽくないような、でもすごくぽいような。兄弟、復讐、これまでの伊坂作品を思い起こさせるキーワード。これまたラスト、嫌いではないです。
「冬眠のガール」
伊坂版ラブストーリーの1つの形。とてもかわいくて素敵な女の子。現実にいるかどうかは別として、こういうのいいんじゃない?
「鋼鉄のウール」
で、苗場さんは本当にカッコイイ。大好きな話の1つです。
「天体のヨール」
これまたテーマは復讐。切ない物語ではあるけれど、とても印象に残っています。
「演劇のオール」
この物語の後半は、いかにも伊坂作品といった感じ。もちろん、大好きです。いいなあ、好きだなあ。
「深海のポール」
着眼点がやっぱりユニーク。お父さんのキャラクターがすごくイイです。しっかり息子にその血が受け継がれている。最後の作品のテーマも家族。…終末を迎えて、やはり一番大切なのは家族の絆なのかもしれません。