「重力ピエロ」
伊坂氏に興味を惹かれたきっかけ。名タイトル。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/04/01
- メディア: 単行本
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で、その期待を裏切ることなく、素晴らしい作品でございました。いまさら感溢れるとは思いますが、いろいろな人にオススメしたくなる作品なのです。かなり大好き。
相変わらず最高に魅力的な登場人物たち。主人公家族の何とステキなことか。しかも今回は伊坂氏初の一人称ということで、感情移入しまくり。
主人公・泉水と亡き母がレイプされた末に生まれた異父弟の春、そして癌に侵された父。その一人一人が非常にステキなのです。こんな深い絆を持ったあたたかい家族は他にそういないでしょう。大好き、ああもう大好きですよこの家族。
そして伊坂氏の素晴らしさは何かと言うと、扱うテーマがこれだけ非常に重いものであるにも関わらず、こんなにも読後感がいいということ! だからこそ、伊坂氏作品が大好きなのです。
ちなみに、実際に私読む前に先に読んだ相方から本作について「何となく舞城王太郎臭が漂う感じ」ということを聞いていました。テーマといい文体といい展開といい、何となくそういいたくなった気持ちはよくわかりました。でも全く異なる世界であることは間違いありません。まあどっちも好きですが、個人的には今は伊坂氏贔屓です。
そしてどうでもいいことを一点。なぜか私の中で本作に登場した「春」と「オーデュボンの祈り」の「桜」が非常にかぶっています。てか「オーデュボンの祈り」を部屋から発掘して再読しなくてはいけないなあと思っています。読み返したらぜんぜん違ったりして。