「恋文の技術」

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

だからもうとにかく、私は森見登美彦の紡ぐ文章が心から好きなのだなと思う。だからこそ、本作も愛しい。いや、本作は個人的にはかなり好き。表紙も含めて。阿呆な青春を描かせると本当に天下一品。
一方的に綴った書簡しか読めないから、相手からの返しを推測しつつ読むのがまーおもしろいこと。てか、何やってんのこの人ww
好きだなー。ホント、好きだなー。改めて思い知った作品だったりします。

「美女と竹林」

美女と竹林 (光文社文庫)

美女と竹林 (光文社文庫)

ええと、これは小説なのかエッセイなのか。いやエッセイではないような気がするけれど。
とりあえずタイトルに謳っている割にあんまり美女でも竹林でもないお話というところがたまらなく愛しくなってしまうところではある。だからもうとりあえず私はやっぱり森見登美彦が好きなんだなと思う。というか好きじゃないとおもしろくないよこの本w とりあえず文章が秀逸なのでひたすら追い求めていますが、もはや何が言いたいのかわからないのだもの。あ、竹林への熱い思いでしたね。それは伝わりました。はい。

「儚い羊たちの祝宴」

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

これまたすっかり虜になっている米澤作品。ですが、本作はまー気持ち悪かったというかなんというか。
「Story Seller」で「玉野五十鈴の誉れ」を読んだ時に、なんともいえない思いを抱いたものですが、本作はそれが5回も。なんというか、ゾッとする話ばかりでした。いや、表現はいつも通り美しいのですけれど、まーなんといったらいいのやら。
残酷で、だけど美しい。使われる言葉が、表現が、丁寧なだけに、本当にゾッとするのです。登場人物の狂気が狂気なのかさえわからなくなるほどに。
古典をもっと知っていれば、よりおもしろく読めたのだろうな、とは思いました。いやーほんとにもう。

「ロードムービー」

ロードムービー (講談社文庫)

ロードムービー (講談社文庫)

文庫版のこの表紙が好きだったりします。
で、読んでまず思ったことは、「冷たい校舎の時は止まる」読み返さなきゃ!! ということでした。とりあえずそれが第一。だってさー覚えてないんだよーごにょごにょ。いい加減読み返すか…。いや、正直、「道の先」で「あれ?」と思ったものの、あとは「雪の降る道」まで「冷たい校舎〜」とのリンクなんて思ってもいなかったのよねww
どの話も丁寧に書かれていますが、特に印象的だったのは、表題作の「ロードムービー」と「雪の降る道」。「ロードムービー」の仕掛けにはすぐ気づきましたが、そういうミステリー的な部分ではなく、とても素敵な物語だったなと思います。で、「雪の降る道」はやっぱり…なんというか、グッと来るものがありました。いや、これを読んだらやっぱり「冷たい〜」を読まなくちゃね…。

「太陽の坐る場所」

太陽の坐る場所 (文春文庫)

太陽の坐る場所 (文春文庫)

ようやく、過去の作品を読み返さなくて済みそうな辻村作品ww でもイタいところを突いてくるのは相変わらず。丁寧に書かれている良い作品だと思うのだけれど、ねちっこい女のイヤラシさ的な部分がなんともこう。あんまり周囲の男性には読んでもらいたくない感じですww
仕掛けがあるのは相変わらずで、個人的には普通に良作だと思うのですが、いまいち世間の評価が高くなさそうであらあら。別にいいけど。

「名前探しの放課後」

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

相変わらず惹かれ続ける辻村作品。この作品にもグッともっていかれてしまいました。なんでだろうなーくっそー。
ただまあ、他作品とのリンクがなんだかよくわからないことになってます。出てきてくれて嬉しいキャラクターばかりではあるのですが、正直詳細覚えてないのよ…。この人の作品は読むたび、「ああ、アレを再読しなければ…」と思ってしまいます。で、あんまり読んでないわけですがww
ただまあ、こういう「青い」感じを描かせると、本当に本当に巧い作者です。ダメなんですよね。こう、どうしてもこみ上げてくるものがいろいろと。んでもって必ずミステリー的な仕掛けがあるので、やっぱり好みなんだと思います。これからも読みますよ、ええはい。