「マリアビートル」

マリアビートル

待望の、伊坂幸太郎描き下ろし新作。ああ、やっぱり好きだなあ、としみじみ。読了後、書店でもらった「『マリアビートル』完全読本」なるものに掲載されていた伊坂幸太郎×冲方丁の対談を読んで、さらに愛が深まったり。
もともと、「グラスホッパー」自体はそんなに得意ではないものの、やっぱり伊坂らしさが詰まっていて好きな作品のひとつ。まぎれもなくその続編である本作では、何人かのキャラクターにひさびさに会えて、とても嬉しく感じたりしました。
上記の完全読本で伊坂氏ご本人が言っている通り、「善対悪対悪」の構図がとてもおもしろくて、終盤のどんでん返しの展開には本当にワクワクドキドキ、そしてちょっとゾクっとしてみたり。見事な伏線は相変わらずだし、キャラクターは秀逸だし、そして何より東北新幹線はやてという完全に限定された空間のなかで起こるさまざまな出来事の絡み方は、ただまあ巧いなと。
読了直後は、なんかちょっとツラくなる部分も、なんて言ったものの、こうして改めて思い返すと、おもしろかったんだよなー。殺し屋小説なので、大手を振って大好き! とはいわないけどね。でも、うん。おもしろかった。