「有頂天家族」
感想書くのがちと遅れましたが、書きます。なぜなら大好きだから。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/08/05
- メディア: 文庫
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毛深き家族の物語。ふわふわとした糺の森に暮らす毛玉たち。阿呆の血が脈々と流れる兄弟4人。これを愛しいと思わずにいられようか!
ということで、本作。大変たのしゅうございました。久々に森見の文章に触れたくて読んだつもりが、その物語にも見事にやられてしまったりして。
面白きことは良きことなり!
これがすべて。登場全員みなが阿呆でみなが愛しい。かくも楽しく愛しい毛深き家族の物語。大声で再度言います。有頂天家族大好き!!
相変わらず文章表現も楽しすぎる。たとえば宝塚についてのくだり。こういうところがいちいち好きなのだ。
ああ華麗なるタカラヅカ!
「宝塚歌劇」は、母上御幼少のみぎりからの熱愛の対象であって、今でもひまさえあれば阪急電車に乗りこんで聖地巡礼に出かけている。人間界・狸界を問わず、いったん「タカラヅカ」に罹患した者の治癒はほぼ絶望視されており、現代の最先端医療をもってしても完治は不可能であるという。
とにかくまあ、何ともおかしく愛しいことよ。
日常暮らしていてどんなに腹立たしい出来事があったとしても、もしかしたら人間に見えて彼らが化けた姿かもしれないと思えば、それはそれですべてを許せる気がするから不思議。
それは阿呆の血のしからしむるところだ。
うん、私にもその阿呆の血が流れている気がするよ。不思議だね! あはははは!
その阿呆の血でいろんなことをぶったぎってまっすぐに生きたい。とくに願いはなくていい。愛すべきほっとする物語。何度言ったら気が済むのだろう。この作品が大好きだ。
解説が上田誠さんというところも、個人的にはまたツボだったり。上田さんはもはや「言語遊戯王オルタナティブ」のイメージが強すぎるけどw あの感じでこういう文章やらああいう脚本やらを書いちゃうんだもんなー。