「エデン」

エデン

エデン

ひさびさに(?)ハードカバーで読んだ本という気が。大好きな「サクリファイス」続編。あれから3年後。私でさえ知っているツール・ド・フランスを舞台にした物語。
今回も…とてもグッとくる物語でした。ああ、やっぱりいいなあ…。「サクリファイス」を経ての、チカの成長。想い。彼の中に確実に芽生えたもの。それが見えるのが、…嬉しいというよりも、やはり切ない。この作品を通して、やはりどこか「サクリファイス」を見ていたのかもしれない。
もちろん、この作品単体でもとても完成度高い物語だと思います。ミステリー要素は薄いけれど、もうそういう話じゃないからなあ。
ツール・ド・フランスの過酷さ。だけどそこに臨む選手たちの気持ち。壮絶な戦い。駆け引き。それがとてもリアルで。いろいろなものが伝わってくる。
終盤の展開は…やはり今回もせつなくて、苦しくて。だけれど救いのある、光の見える幕引き。選手たちにとっての「エデン」。その意味。それを紡ぐ美しい文章。
サクリファイス」と「Story Seller」「Story Seller2」を読んでいるからこその評価ではありますが、とても満足しました。好きだなあ…。