「背の眼」

背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫)

背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫)

背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)

背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)

読むのに意外と時間がかかってしまいましたが、道尾氏のデビュー作をようやく読了。すべては「骸の爪」を読むためですよ、ええ。シリーズモノはどうしてもアタマから読みたいし、結局どうしても作家買い・作家読みをしてしまうのです。ミステリーだしねっ。
そもそもこの「背の眼」になかなか手が出せなかったのは、「ホラーなんでしょ?」という先入観から。怖がりなのでホラーは苦手。でも何作か道尾作品を読む中で、「これならイケるんじゃない?」と思って、「骸の爪」文庫化を機にようやく購入。
で、読んでみると…あ、やっぱりこれホラーじゃないw と一安心。ホラーといえばホラーだけれど、それよりも本格ミステリー色の方が濃厚。さらにホラー絡みの霊現象についての考察(の理屈っぽさ)は非常に私好み。なんというか、京極テイストもものすごくありつつ。
もともと実は道尾氏は文章がちと苦手な部分があって(いかにも本格ミステリーな文体、というか…)、デビュー作ということでそこもものすごく構えていたのですが、内容の理屈っぽさが前面に出た今回は、そこも違和感なく読めました。
ということで、うん、おもしろかったですよ。はい。ひさびさに本格ミステリーを読んだな〜、としみじみ思っています。
未だに道尾ファンだとは思わないし言わないけれど、やっぱり好きな部分は多々あるなあ。今回も、ラストのちょっとしたエピソードとか。クサかろうが、ああいうのが好きなんです私。
さて、次は「骸の爪」の予定ですが、他にも積読があるのでまだ先。でも必ず読みます。

骸の爪 (幻冬舎文庫)

骸の爪 (幻冬舎文庫)