「下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件」

下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件 (小学館文庫)

おもしろすぎた前作「下妻物語」。そういえば、映画見てないなあ。私の頭の中で、桃子＝深田恭子、イチコ＝土屋アンナの変換は自動的に行われているというのに。
で、本作。タイトルにある通り、「完結編」なわけで。にも関わらず、かっとんだ文体とスピードでさくさくと進む。桃子の脳内、おもしろすぎ〜。
まさかのダブり、そして大きな選択を迫られ、殺人事件にまで巻き込まれるというのに、相変わらずひねくれまくったりボケまくったりで緊迫感のない彼女ら。もう、とにかくおもしろい。
ミステリーといえばミステリーなのかもしれないけれど、メインとなるはずのその事件がちょいとどうでもよくなってしまう感じで、桃子とイチゴ、そしてその恋、その将来を気にするまでもなく、ジェットコースターのようにあの戯言（間違えた）に乗っかって読み進めてしまうのです。
完結編ということで、ラストシーンの桃子の心情描写にはグッと来ました。ああ、私はこの2人が大好きなんだな、と改めて認識してみたり。
そのうち続きがまた読みたい気がするけれど、いまは満足。桃子とイチゴ、2人の明るい未来と友情に、思いを馳せて。