「中庭の出来事」

まーた感想書くの遅れちまったい。

中庭の出来事 (新潮文庫)

ひさびさに読んだ恩田作品。巧いなあ、という印象。文章も美しく、その世界に引き込まれます。独特の空気感というか。
物語自体も、一筋縄ではいかない感じ。お芝居の中の世界と外の世界、語られる世界。それぞれのパートが絡み合い、最終的にどこへと行き着くのか。お芝居の中の謎も魅力的で、それらにぐいぐいと引っ張られて読んでいきました。
こういうのはメタというのかなあ。最終的なオチの付け方というか融合のさせ方は、キライではないです。まあロジカルなミステリーな方が好きではありますけれども。ま、「ならでは」のこの空気感を味わえるというだけでも、この作品を読んだ甲斐はあったかな。