「ぼくのメジャースプーン」

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

好きです。辻村作品が、とても。私にとって、迷いなくそう言える作家さんになりました。
「凍りのくじら」が大好きだと思っていたのですが、本作も並ぶくらい好きかもしれません。「凍りのくじら」は号泣しましたが、本作は解説にあった通り、“泣きそうになる”感じ。この胸と鼻の奥にツンとくる感覚。…とても愛しい物語です。

ふみちゃんの思い。ぼくの思い。秋先生の思い。お母さんの思い。そのひとつひとつに、私自身の思いを寄せて。…胸がきゅっとなる感じ。
一気に読んでしまって、それをちょっともったいなく思った作品でした。もっともっと大切に、ゆっくりと読めばよかったかな。

登場人物のつながりもあって、「子どもたちは夜と遊ぶ」を再読しなくては、と思っています。「子どもたち〜」を読んだときは、「辻村作品は学生時代だったらきっともっとハマっただろう」と予想しましたが、いやいや今でも充分ハマります。「凍りのくじら」と本作は、本当にお気に入り。大好きです。ノベルスで読んでおけばよかったかも? もちろん、これから先も(文庫化を待ちつつ)読んでいきます。