「君の望む死に方」

君の望む死に方 (ノン・ノベル)

君の望む死に方 (ノン・ノベル)

宣言通り、石持作品を立て続けに(という割には時間が空きましたが…)読了。出版元と表紙のイメージが同じだけかと思っていたら、おやおやこれは、ある種「扉は閉ざされたまま」の続編的作品? 予想外にあの方が登場した瞬間、ドキッとしました。
さて、例によって今回も、非常に特殊なシチュエーション。こうした設定を作り出す発想こそが、やはり氏の魅力。今回もあらすじをざっと読んだ瞬間から、かなり惹かれるものがありました。まあその時点では、そこで示される「女性」が「彼女」のことだとは思っていませんでした…(実際のストーリー上で登場した瞬間、「ああ、この人か!!」と強く納得するわけですが)。
で、本作ですが、期待通りおもしろかったです。相変わらず若干ご都合主義的だったり、いろいろと弱い部分は見られるものの、今回はあんまり気にならなかったかな。それ以上にグッと引き込まれて、一気に読み進めてしまいました。こういうのは、やっぱり好きだなあ。
さらに今回は、物語の終わり方が…。読み終えた瞬間、口からついつい「おおっと〜」という言葉が出てしまい、未読の相方から「え? なになに? そんな終わり方なの??」などとツッコミを受けてしまいました(笑)。個人的にはこの終わりは、大いにアリ、ですけど。アリというか、受け入れるしかないというか。とりあえず誰かと語り合いたくなっちゃうというか。まったくもって、この人の作品は常に一筋縄ではいかないなあ。いや、「だから好きなんだよ」(by B'z「パーフェクトライフ」)なわけですが(笑)。
万人受けするかどうかはともかく、個人的には大いにオススメする作品です。

そういえば、この石持2作品は、WOWOWでドラマ化されたんですよね。いかがな感じだったのでしょう? そもそもWOWOWが入らない我が家という前提はともかく、書店でドラマ告知の帯を付けたこの本を見つけた時点で、放送日は過ぎていたのでした。まあこんなんじゃあ、石持ファンは名乗れないなあ。名乗らないけど。

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)