映画「Sweet Rain 死神の精度」

映画館に足を運んで伊坂作品映画を見るのは、早くもこれが3度目? 我ながら、愛を感じます(笑)。一応映画に関しては、全部映画館まで見に行っているもんなあ。
実はこの「死神の精度」は、少なくとも前回の「アヒルと鴨のコインロッカー」よりは映像化がしやすいのではないかと思っていましたが、でも短編集の映画化なんだから、そんな簡単なわけないですよね。
計6本の短編の中から「死神の精度」「死神対老女」に加えて「死神と藤田」をセレクトして映画化ということで、「死神と藤田」が大好きな私としては嬉しくもありつつ、原作を忘れている部分も多いので「あれ? こんな風に繋がってたっけ??」などと戸惑う部分もありつつ。伊坂氏の作品の真骨頂とも言うべき計算されつくされたスマートな伏線を、映像でそのままに表現するのは、やはり難しいんだろうなあと感じました。もちろん、非常に考えて映像化されていることは感じましたけれど…。
とまあ書いていますが、実は非常におもしろく鑑賞できました。何よりもやはり、期待していたのはキャスト。死神の千葉役を金城武さんが演じるということで期待していたのですが、やっぱりハマってた!! しっかしこの人、本当にカッコイイなあ。でもって、キュート! あの独特の語り口は、一般の死神の持つイメージとは違う、伊坂作品ならではのトボけた感じに非常にマッチしていたと思います。
あと、原作にはいない上司(?)の黒い犬もキュートでした。まあ彼とのやり取りの仕方は、映画的にどうなの?? と思わなくもありませんでしたが…。
その他も総じてキャスト的にはよかったのではないかと思います。個人的には、一瞬野間口徹さんが登場したのが嬉しかったです。しかし最近、やたらこの方のお姿を拝見する機会が増えている気がします。ドラマやら映画やらCMやら。売れてらっしゃいますねえ。
もう少し工夫のしようはある気がしつつも、でも充分楽しめる作品だったと思います。原作もひさびさに読み返したいな。とはいえ、ハードカバー持ち歩くと重いから改めて文庫版買おうかしら…とかいうバカな考えはやめましょう>私。