「四畳半神話大系」

四畳半神話大系 (角川文庫)

すっかり森見ファンを自称する私ですが、よくよく考えてみればまだ1作しか読んだことがないわけでして。
もちろん同じはてなユーザーとして、氏の近況は日々チェックを欠かしていないわけですが、やる気がないのと他に読む本があるのをいいことに、文庫化されるまで手を出していないがため、ようやく2作目をこのたび手に取りました。

で。
やっぱりおもしれー。

この人の魅力は、やはりこの文章です。不毛な大学生生活を営む主人公の日々を、ここまで生々しく、ここまでファンタジックに切り取れる表現力を持つ人というのは、そうはいないと思います。
というか、日々の日記そのままの文章での物語。いやー、そりゃおもしろいわ。うだうだと饒舌で、リズムを持っていて、不毛で、痛々しくて、だけれど愛らしくて、心をくすぐられる。うん、好きだ。「太陽の塔」に比べてもさらに不毛な感じが、また好きだ。今回の物語の構成も個人的に好みだったのだと思います。あはは、いやー好きです。ホント。

とりあえず、もちぐまが欲しいです。（個人的には本作の装丁はやはりハードカバーが秀逸。文庫版の表紙はビミョー。）んでもって、明石さんと友達になりたいなあ。相変わらず不毛ながら、愛すべきキャラクターたちがわんさかと。
「太陽の塔」のときは感じなかったけど、この人はファンタジー作家なんですね。ほんわかと、でも結構エッジはきいてる感じかな。うん、やはりこの人の作品はもっと読まなくてはね。読みやすすぎて、ついつい電車の中でくすりとしてしまって、ちょっと困ったりはするけれど。でも、もっといっぱい読みたいな。