「冷たい校舎の時は止まる」

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

今回の旅行のお供としてセレクトしてみました。メフィスト賞作品を読むのは、非常にひさしぶり。ノベルス版が発行された当初も惹かれたものの、3分冊というハードルの高さに躊躇して手を出せなかったのですが、文庫化を機に手にとってみました。

さて、感想。長かった。確かに長かった。で・す・が。非常におもしろかったです。うん、満足。非常に丁寧に書かれた物語という感じ。変な痛々しさも(ほとんど)ないし、文章も落ち着いているので、途中でイヤになることも一切なく、一気に読めました。
最初は何でこんなに長くなんねーん…などと思いましたが、まあこれだけ各人のエピソードをしっかりと書いているとなると、そりゃ長くもなるよなーと。終盤になって回収される伏線の数々も見事。なぜこの作品が非常に評価が高いのか、納得できました。メインの謎については予想の範囲内でしたが、もうひとつ終盤で明らかになるある事実がもうねえ…。いや、ちょっとズルい気はしましたが、それでもかなりの驚きでした。
ということで、満足。さすがの長さなので読み応えもあったし。といいつつ、次はもうちょっと短いのがいいな(笑)。辻村氏の作品は今回が初だったのですが、他の作品も読んでみたいと思っています。機会があればぜひってことで。

そうそう、個人的に興味があったのは、本作の解説。川原泉さんが書いてるってのが。この人の文章もおもしろいなーっと。漫画そのままのイメージだな。