「首鳴き鬼の島」

首鳴き鬼の島 (ミステリ・フロンティア)

首鳴き鬼の島 (ミステリ・フロンティア)

やっべー。5年も待ってた新刊なのに、感想書くの忘れてた(苦笑)。
待ちに待った石崎幸二氏新刊は、しっかり発売日くらいに入手して、しっかり速攻読んでおります。単に感想書くの忘れてただけで…。←それもどうよ?


ということで、待ちに待った新刊です。ハイ。
…えっと、面白かったです。普通に本格として上手くまとまっていたというか。良作だと思います。普通に。ええ、普通に。
え? 何かトゲがあるように感じます? いや、ホントにうまくまとまったいい作品だと思います。ハイ。

ただ、何と言うのでしょう。私はコレを5年待っていたのか? と訊かれると、何とも言えないなあ、と思って。普通に面白いし、しっかり本格しているし、いい作品じゃないかなとも言えるんだけど、じゃあこの作品をまさに5年間も切望していたのかと訊かれると、正直返す言葉がないんだよなあ。石崎ミリアユリシリーズがやっぱり読みたいような気もするし。
とはいえ、全体的にあの会話のノリがないくせに空気感はしっかりそれを踏襲していて、しかもしっかりミステリーかつ本格しているくせに妙にリアリティはなくて、かなり殺伐とした事件のくせにそんな感じがないあたりは、非常に石崎氏らしくって、それはそれで好きではあるんだけど。
それでもやっぱり、どこかが物足りない。…と思いたくて仕方ないのはなぜだろう。
ひとつ言えるのは、やっぱり「待たされすぎ」なんだろうな。渇望していたがゆえに、自分が求めていたのはこういう話ではない! と自分で思いたくて仕方ないんだろうと思う。
正直、本当にイイんですよ、別に。面白かったし。納得もいったし。飄々として軽い感じはやっぱり好きだし。
だけど、石崎氏ファンを自称するがゆえに、やっぱり何か妙なこだわりがあって。

全作をリアルタイムで購入して読む作家さんって、私の中では実は結構限られていて。その中の1人として石崎氏が位置している以上、やっぱり彼には「キャラ」を確立していてほしい、なんていうファンとして勝手なこだわりがあって。

正直、単純な本格作品の良作であれば、別に石崎氏じゃなくてもいいんだもん!!←超暴言。
唯一無二の存在であってほしいのに、この作品はそこまで行っていない気がするわけです。
ああ、やっぱり単純に「待たされすぎ」だな。こんな期待過剰ではなかったはずなのに、我ながらどうかと思う。もっと軽いノリで待ってないといけなかったんだ。

ということで、次回作はできることなら講談社ノベルスからの例のシリーズを期待しております。で、軽く読ませてくれることを切望。こんなに間空けちゃ、やっぱりダメだ。自分の中で何か妙な美化とかがされてるから。
次回はもっと最初から気楽に読みたい。それなら、間違いなく笑いながら評価ができたから。今回は、無理。なーんか、我ながら気負いすぎ。これが「作家」に思い入れてしまう私の弱点なのでしょう。