「リドル・ロマンス 迷宮浪漫」

リドル・ロマンス 迷宮浪漫 (集英社文庫)

リドル・ロマンス 迷宮浪漫 (集英社文庫)

GWの帰省のおともでした。本屋さんで平積みされていたのですが、別に新刊ではなかったのですね。連作短編集ということで、さくっと読めそうで手にとってみました。
西澤作品特有ともいえる独特の妖しい雰囲気を持つ本作。美形の案内人“ハーレクイン”氏とその世界に少し戸惑いつつも、人間の心理を描く西澤氏の手腕に引き込まれました。なんというか…非常に不思議な世界でした。そしてそれが嫌いではないのですよね。ときに目を背けたくなるような人間の嫌な部分を見せられるけれど、どこか優しさを感じられる、そんな作品たちでした。
一番印象に残っているのは、「アモルファス・ドーター」。そして最後を飾る「アウト・オブ・ウーマン」も印象的でした。