「OUT」

OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)

OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)

帰京する新幹線に乗る前、ふと長編を読みたくなって、以前から読んでみたかった桐野作品を読むことに。
当然ずいぶん前からお名前も作品タイトルも知っていたわけですが、実は桐野作品を読んだのは今回が初。もっと他にも読みたい作品がありますが、1作読むと結構消耗することがわかってしまったので、今後はゆっくりと。

全体を通してスリル溢れる展開で、例によって一気に読んでしまいました。
といいつつ、前半のお風呂場でのシーンはあまりにリアルで恐ろしくて、マトモに読めない部分もありました。グロテスク系は苦手なのです…。どうにも読めず…。
でもそれ以外の部分については、しっかりと読みました。
映画化されたことがやたらと印象に残っていたのですが（しかも何故か、西田尚美さんが出てたってことだけ覚えてた）、そういえばドラマ化もされてたんでしたっけね。このあたりのシーンってどうしてたんでしょう? ま、あの辺を映像化するわけがないんでしょうけれど…。

とりあえず、世間の評価が高いことに頷ける、おもしろい作品であったとは思います。
ただ正直、前評判などの先入観があったせいで期待しすぎていたのか、特にそんなに「これはスゴイ!!」と思うような作品ではなかったな…とか言ってみたりして。
後半の展開がそんなに…だったからなのかなあ。ある意味ハッピーエンドとも言えそうなこのエンディングですが、でもいろいろ考えると…微妙。物語後の展開の予想がどうにもしづらい、そんな作品ではあります。でもって、ハッピーエンドかも? と言いつつ、後味もいいとは言えないし。
とは言っても、こういうサスペンス的なお話は嫌いではないので（ハマって読めるんだもん）、今後も桐野氏の作品は読んでいくつもりです。