「ハードボイルド・エッグ」

ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)

ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)

帰京の新幹線で読み始めた本作をようやく読了。軽くて読みやすい作品でしたが、この作者らしく、それだけではないあたりはさすが…かな。
さて、なんにせよ楽しく読ませていただきました。主人公をはじめ、取り巻く登場人物のキャラクターがなかなかに素敵。綾さんはもちろん、Jとかゲンさんとか。好きだなあ。ついついニコニコしてしまいます。
ただ、意外とヘビーな展開と、ラストのちょっとせつない感じ。前者は個人的にはちょっと中途半端な印象がしてしまいました。いっそとことんオバカな感じで通していただいてもよかったのですが。でも、後者については評価しております。単に軽いユーモアとドタバタばかりがあるわけではなく、しっかりとちょっとせつないドラマがありました。逆に言うと、まあその部分のエッセンスだけでよかったような気がしちゃったりしたわけですが。
ま、何だかんだいって、楽しんで読みました。安心しておもしろく読める作家さんであることは確かです。