「ぼくのミステリな日常」
読まなきゃ読まなきゃと思っている作家の1人。遂に手を出したので、ゆっくりと読んでいきたいです。
- 作者: 若竹七海
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1996/12/21
- メディア: 文庫
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連作短編集。これがデビュー作だとは、本当に見事な作品だと思います。
4月から翌年3月まで、とある企業の社内誌に連載されているお話…ということで、それぞれ季節感に溢れた話になっています。12作(+前後のエピソード)ということで、1つ1つは短めなお話なのですが、バラエティに富んでおり、楽しませてくれます。
中でもお気に入りは「あっという間に」と「バレンタイン・バレンタイン」。前者は明かされる真相の意外性にあっと驚きましたし、後者も巧みな仕掛けに騙されてしまいました。その他にも、独特な空気を感じさせる短編がいくつも散りばめられていました。でも本作は、その1つ1つというよりも、全体に仕掛けられた緻密なトリックこそがまさに見事で、読んだ後思わず唸ってしまいました。
うん、こういう話、好きです。もともとこういう形のお話は好きなのですが、中でもかなり評価が高いです。満足。