「あいにくの雨で」

あいにくの雨で (講談社文庫)

あいにくの雨で (講談社文庫)

一応ノンシリーズということになるだろうが、世間的には烏有の弟かと言われる烏兎が主人公の作品。なんといっても面白いのは、作品の冒頭で謎解きがなされているところで、それが序章でなく第13章(だか14章だか)となっている通り、ダミーじゃなくて正解であるという部分。まあ、当然その謎解きは作品の本題ではないのだが、それでも本当の謎解きを冒頭に持ってくるその思い切りの良さがとても好きです。

ただ、この作品全編を通じて描写されている、「そんなのねえよ」とツッコミを入れてしまう生徒会に関してはオレの読みが浅いだけなのかも知れないが、必然性が感じられなくてただ不快感が残るだけだった。うーん、これに関しては未だに理由がよく分からない。やはり再読の必要があるのかなぁ。(姫)