「姑獲鳥の夏」

この人の出現によりメフィスト賞が生まれた…と言われる伝説の(?)作家。その著書の分厚さから、個人的に「老後に読もう」と固く決意していたのですが、いろいろあって手にとって見ました。

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

大方の予想に漏れず、夏休みを利用して本作を読了。周囲にさんざん宣言していたため、「老後に取っておくはずじゃなかったの?」というツッコミも予想しております。そのつもりだったのですが、映画化によってネタバレされる危険性が高まってきたので、あっさり考えを改めました(笑)。
ということで、感想。はい、これまた予想通り、ハマりそうです(笑)。おもしろいだろうことは、もう何年も前からわかっていたのですよ。だからこそ、老後にとっていたのです。でもね、うん、いいです。普通に今後も読みます。
キャラクターが魅力的で、謎が魅力的。なおかつ語られる薀蓄が結構好み。とくれば、まあおもしろくないわけがないのです。むしろ、ツボな作品。これがデビュー作か〜。さすが、京極センセイ。
しかし、映画を見ようという気には実はならなかったりしています。別にキャストに不満があるというわけではないんですが(というか、最初からキャストを知って読んでしまっているので、特にいまさら何とも思わないというか…)、映像化されたものを見て、イメージを壊されたくないのです。それくらい、小説として完成された世界を持っている作品だと思います。
ちなみに、帰省時に読んでいたところ、実家でまったく同じ本を姉が読んでいて非常に笑えました。こういうときに血のつながりを改めてしみじみ実感してみたり(笑)。