「四季 冬」

四季・冬 (講談社ノベルス)

四季・冬 (講談社ノベルス)

待ちに待った完結編。…こう来たか!! というのが正直なところです。なんと不親切な、そしてファンの心をくすぐる作品なのでしょうか。
何を書いてもネタバレな気がするので、以下反転。森氏の他作品のネタバレも含まれてしまうかもしれませんのでご注意を…。
(ここから)S&Mシリーズ、Vシリーズとの繋がりは言わずもがなでしたが、まさか他社から出ている百年シリーズ(と呼ぶのが正しいのかどうかはわかりませんが)とこうも絡んでくるとは思いませんでした。
ウォーカロンは彼女が生み出したものであり、「女王の百年密室」の主人公ミチルは四季の子孫(この呼び方も正しいのか…)である。つまりはその世界を生み出したのは四季自身である…と言っても過言ではないのでは。
女王の生命、マノ・キョーヤの存在、ミチルの恋人、ロイディとミチルについて(例の最大のトリック…と私が思っている部分)、ぴたりと合う符号がいくつあることか。
彼女自身が世界の創造者=神となった…のかもしれませんね。
でも実は、現時点で「迷宮百年の睡魔」を未読なので迂闊なことは言えないんですが(笑)。とりあえず早速読む予定です。
もちろん「すべてがFになる」「有限と微小のパン」(←特にこれ!!)「赤緑黒白」の再読も予定しております。その後またこのシリーズ読み直したりして(笑)。(ここまで)
少なくとも言えるのは、森博嗣ファンでよかったな…ということでしょうか。こんなトリックを味わわせてくれる作家は他にはいないように思います。