「ブードゥー・チャイルド」
- 作者: 歌野晶午,開光市
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/08/24
- メディア: 文庫
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前々から読みたかった本作、非常に期待が高かったのですが、それを裏切らない作品でした。
主人公の少年に残る「前世」の不思議な記憶と「現世」で起こる事件。この謎に満ちた奇妙なリンクの謎が、終盤明らかになっていく様は、やはり見事。まず、ツカミがうまく、構成がしっかりしているので、一気に最後まで読んでしまいました。歌野氏の物語展開のうまさは充分承知しているところなのですが、この頃からそれは健在だったようで。
個人的にもっとも唸らされたのは、「悪魔の紋章」について。強引という声もありそうですが、こういうの、キライじゃないです。
ひっかかる部分が何もないわけではないですが、それを差し引いてもおもしろかったです。
歌野氏の代表作の1つとして挙げられるのも納得の1冊でした。
噂によると、本作と、この後に刊行されている名作「世界の終わり、あるいは始まり」「葉桜の季節に君を想うということ」で3部作だといわれているとか。確かに、何となくわかる気はします