「電子の星 池袋ウエストゲートパークIV」

電子の星 池袋ウエストゲートパークIV (文春文庫)

電子の星 池袋ウエストゲートパークIV (文春文庫)

今年に入ってからハマったもののひとつ、「IWGPシリーズ」。4作目の本作、文庫化を心待ちにしていたのです。軽く読める作品なので、大好きなシリーズです。
実は大阪への新幹線の道のりで、一気に読破していたのですが、今週感想を書く余裕がなくて、遅れてしまいました…。
とりあえず、感想は以下に。

今回も、マコトがやっぱりカッコイイ。この作品は本当にキャラクターが魅力的。とはいえ、個人的にもっとも好きなのはキングで(笑)、それ以上に各短編に出てくるそれぞれのサブキャラ(というかメイン?)を好きになることの方が多いのですが。

「東口ラーメンライン」
シリーズものならではの展開。ツインタワー1号2号がラーメン屋を。昨今のラーメンブームに一切乗っていない私ですが、確かに未だに激戦は続いているようだし、ある種リアルな話かも。

「ワルツ・フォー・ベビー」
本短編集のなかで、もっともお気に入り。この切なさ…なんとも言えません。そしてジャズタクシーの運転手であるオヤジのキャラクターがやはり秀逸。「オトナ」なマコトの一面も見れたような気がします。

「黒いフードの夜」
これまた、結構好きな話。マコトのお母さんも私大好きなんですよねえ。ある種非常に残酷ではあるけれど、こういう勧善懲悪も必要なことはあるのでしょう。

「電子の星」
「黒いフードの夜」もそうなのですが、本作もブラック。想像するとあまりに痛くて、ちょっと苦手だったりするかもしれません。だけど人物描写はさすがだなあ…と。立派な「負け犬」になることも、成長ですよね。ホント、うまい作家さんです。

ご都合主義であろうとも、私はこのシリーズが大好きです。