「レイニー・レイニー・ブルー」

レイニー・レイニー・ブルー (カッパ・ノベルス)

レイニー・レイニー・ブルー (カッパ・ノベルス)

かなりひさびさの氏の作品。ていうか、そもそも氏の作品をほとんど読んでないような気がします。
「ifの迷宮」を読まずしてこれを読んだのは、大丈夫なんでしょうか?

で、本作。
まずは「車椅子の熊ん蜂」こと主人公の熊谷斗志八のキャラについて。うちの相方なんかは、「ぜんぜん感情移入できない」と言っていましたが、個人的にはこのキャラクターが結構キライじゃあありません。身障者だから、とかそんなことはもちろん関係なく、単純に私はこの人、魅力的だと思います。

主人公が身障者ということで、重い物語になっているかというと、決してそうではありません。さらりと軽く読ませるけれど、それでも胸に残る何かを持つ、そういう物語でした。
特に表題作「レイニー・レイニー・ブルー」で描かれているものについては、考えさせられるものがありました。
ミステリー的に…というか、ストーリー的には「仮面人称」も印象に残っています。

しっかりした本格作品なので、充分興味深く読むことができました。連作短編って、やっぱり読みやすくていいですね。
でも実は、氏の長編もひさびさに読みたかったりします。てか、龍之介シリーズを途中までしか読んでいないので、早いところ続きを読みたいです…。