「海の底」

海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)

とりあえず一言。

冬原萌え!!!

…失礼しました。「Story Seller」「空の中」と、その圧倒的な有川作品にすっかりメロメロ状態のワタクシ。にも関わらず、帯に「パニックSF」ってあるわ、本屋でパラっと見た序盤の展開もいきなりコテコテな感じだわで、なかなか読む気が起きていなかった本作。ようやく読みました。
読み始めると、やはりその序盤に「ああ…」とか思っていたのですが、いやいやいやいやいやいやいやいやっ。そこは有川浩ですよ。何だ、この充足感。読んでいる途中から、もう離れられないんですもの。すげー。やっぱ好きだ有川浩ライトノベルっぽくありながら、かなりの社会派。バランスもすげえ。というかすげえ作家だ、有川浩
女性ならではの視点、描き方、萌えキャラ(?)の作り方、うますぎ!! 今回も、こんなにも登場人物のひとりひとりが愛しくて…。繰り返しますが、冬原萌え!! や、夏木ももちろん大好きですよ。でも冬原萌え!!! え? しつこい? 失礼しました。だって好きなんだもの。
解説の大森望さんもがっつり書かれてますね。「ホラを吹くために、周囲の事実関係を詰めていく」というその制作スタイル、イイですね。取材としてとある質問を実際に電話で投げかけた…というエピソードが実話なら、そりゃスゲエですわ。ステキ。潜水艦の中の子どもたちのストーリーだけでなく、陸上における大人の仕事の進め方が、またグッとくるのです。
今回も大満足の作品でした。ああ、小説って素晴らしい。どうやら、その後のエピソードも短編として描かれているとか? …読みたい…!!

クジラの彼

クジラの彼