「ジェネラル・ルージュの凱旋」

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

先ほど読み終わりました。はい、一言。おもしろかった!!!!! いやー、これは本当におもしろい。もともとテーマの割に軽く読みやすい海堂作品。これまでも一気読みすることが多かったのですが、今回はさらに加速して一気読み。通勤中の電車内や、職場でお昼休みに読んだりしていたのですが、正直あまりのおもしろさに、本を閉じたくなくて困った困った。

何よりも本作の魅力は、速水部長。この人、かっこよすぎなんですけど!!! これまで何人も個性的なキャラクターを生み出してきた本シリーズですが、群抜いてカッコイイ…!! ええもう、完全に惚れました! 小説の中の人物にここまで惚れ込んだのもひさしぶり。だってカッコイイ! もー大好き!! ぶっちゃけラストシーンは少々不要な気もしましたが、これにキュンとくる人もいるんだろうなあ。いいです、速水部長なら何でも許します(?)。あの白鳥を完全に喰っちゃうなんて、他にいないです。しかも2枚目キャラで!!!

そしてストーリーもおもしろい。というか、相変わらず巧い。何で会議シーンがこんなにおもしろいんでしょう。やっぱりキャラクターの力なのか? ミステリーっぽい要素もうまいこと織り込みつつ。中心となる告発文を「誰が」書いたのかという部分は薄々予想がつくものの、だからといっておもしろさが減るわけではなく。んー、おもしろい。

もちろん、今回もかなりリアルで深刻な医療問題を提起していることは確か。海堂尊という作家の存在は、エンターテインメント界だけでなく、医療の世界でも非常に貴重な存在なのだと思います。

また、前作「ナイチンゲールの沈黙」との同時進行というのも興味深く。後から少し「ナイチンゲール」も見返してみようかな。あの裏では、こんなことが起きていたんですねえ。さらには「螺鈿迷宮」とのつながりもあって、ちょっとニヤリ。正直、文庫版の巻末付録にはちょっと笑いました。

本作は、映画化もされるようで。読んでる最中は、速水部長が堺雅人さんって、イメージと違う…。もっとクールでキレる感じの人がいい…とぶつぶつ思っていたのですが(ちなみに堺さん自身は大好きです!)、さっき公式サイト(http://general-rouge.jp/index.html)で予告編を見たら、「アリかも…」なんて思ったりして。いやーイイ役者さんだなあ。でもって、映画だと微妙にストーリーが違うっぽいですねえ。たぶん見に行くんだろうなあ。これはこれで別物として楽しみにしています。ラスト近くのシーンなどは、不謹慎ながら確かに映画向きだと思いますし。