「夜は短し歩けよ乙女」

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

待望の文庫化。もちろん、即買い即読み。期待通りのおもしろさ。いやむしろ、期待通りの愛らしさ? 加えて今回は、読んでいる最中から、思わず笑顔になってしまう感じ。相変わらず登場人物の全員が、愛しくてたまりません。先輩と黒髪の乙女はもちろん、前作に引き続き登場する羽貫さんと樋口さんも、局長や李白さんも。
序盤こそ、いつもに輪をかけてわざとらしい森見節に、「おっと、期待しすぎてた?」とニヤリとしたものの、例によってわけのわからないファンタジックな展開に、気持ちよくハマりましたとも。おもしろい。いや、オモチロイ。ほんわか幸せな気分になれる、とても愛しい小説です。
大団円、素晴らしい。赤面することうけあいのハッピーエンドも素晴らしい。誰が何と言おうと、私はこの小説が大好きだ!
私がこうしてこの小説と出遭ったのも、何かの御縁。にっこり笑顔で、また読み返す日を楽しみにしている私です。

羽海野チカさんのイラストがまたキュート。とりあえず、読んだ後で見てよかったと思いつつ、私の中の「黒髪の乙女」のイメージは、羽海野さんイラストの彼女になってしまいました。