「クドリャフカの順番」

クドリャフカの順番 (角川文庫)

クドリャフカの順番 (角川文庫)

シリーズを追うに従って、好きになる古典部シリーズ。1作目よりも2作目が好きだし、2作目より3作目が好き。ということで、現在一番好きなシリーズ作品は、コレです。
作品ごとに体裁(?)が異なるこのシリーズ。今回は読み始めて、いきなりの女の子語りでびっくり。あ、千反田視点なのね、これ。…と、思いきや、文体が変化。古典部メンバー4人それぞれの視点で物語が展開されるという構成。それぞれの語り口が異なるのが、また味になってイイ感じ。個人的には、これまであくまで「脇役」だった摩耶花(何気にお気に入りキャラ)や里志(とりあえず、摩耶花への言及のし方が何かもー…///▽///)の心のうちが初めて明らかになって、かなり新鮮でした。
というか、本作のヒロインは摩耶花だよなあ、と。もともと好きなキャラではあるのですが、彼女の魅力(強さも弱さもどちらも)が見えて、ついつい思い入れが深くなってしまいました。ちなみに彼女のコスプレについては、ほぼわかりませんでした。2番目ですら、魔女っこを複数人頭に思い浮かべてましたよ。いやー、米澤氏とは同い年なのに、わからんもんだなー。ちなみに、先輩の方は大体わかりました。たぶん。元ゲーマーなのでそれなりに。
今回の舞台となる文化祭(こんな大規模なの、いいなー)、コメディタッチな展開、そしてメンバーそれぞれの青春な感じ。そして「古典部」のシリーズ名通り、古典ミステリーに対する作者の愛情が今回も感じられ、それらすべてが相まって、何だかニッコリしてしまう作品でした。うん、お気に入りです。