「愚者のエンドロール」

愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

古典部シリーズ第2作目。「氷菓」に続いて読んだ本作は、期待通り…いや、ある種期待以上のおもしろさでした。
氷菓」がそうだったので、今回も連作短編なのかと思いきや、1作の長編。こういう作りの方が、元来好みなのかな。一風変わった謎の出され方も、非常に興味深かったです。
本作を読んで感じたのは、小市民シリーズよりこちらの古典部シリーズの方が好みだということ。キャラクターの性格や立ち位置なのかな? なんというか冷めた感じでありながら、一筋縄ではいかない、みたいな共通項はあるのですが、全体的にこちらの古典部シリーズの方が、好み。主人公のあしらわれっぷりとか、ね。…まあ実はこの感想を書いている時点で、既にシリーズ3作目の「クドリャフカの順番」を読み終えていて、それでさらにハマったっていう要素もあるような気がしますが。
あ、でも比較なんてしなくても、個人的に本作は好みな作品です。…だって私も、(以下、ある意味ネタバレ? →)人の死なないミステリー(ここまで)が好きだから。でもって、こういう物語展開も好きだから。(これもネタバレ? →)貫井徳郎「プリズム」(ここまで)とかも大好きなんですよねー。アレはナニでしたが、こっちはキチンとオチをつけてくれているので、なおのことよいな、と。
ということで、米澤作品は読むたびに、ぐんぐんと評価が上がっていきます。うん、好きだわー。地味なところがまたツボ(笑)。しかし私は、いつからこんな地味好みに…。