「地球平面委員会」

地球平面委員会 (幻冬舎文庫)

さて、ラノベっぽいの（?）が続きます。久々の浦賀作品を手に取りました。噂によると、本作は既に絶版になっているとか? まーしかし軽いのなんのって。本の薄さも手伝って、1日でさくっと読んでしまいました。半身浴のお供。

浦賀氏は私自身と同い年ということで、なぜか気になる存在の作家の1人。確かに「同年代」が描く物語だなあ…というのを感じることがよくあるのですが、コレはその印象がマックスになった作品でした。いや、確かに私たち世代だからこその作品ですわ。
ミステリーとしては、特に素晴らしい出来ということでもないし、浦賀氏の代表作になりうるものかいうとそうでもない気がしますが、それでもまあ、この作品はある意味スゴイです。
まずは最初のページで引用されている文章が清涼院流水氏ということで、ちょっと構えて読み出したのですが、主人公の設定とその氏名にまたちょっと驚き。でもそんなことよりも、やはりラストで明かされる真相の突拍子のなさといったら!! こんな動機、確かに他に読んだことないですってば。これは、私たちの年代でなければ書けないでしょう。たぶんコレを受け入れられない人は多いように思います。ま、私はある意味「アリ」だと思っていますが。
作品自体はあまり好きになれないし、他人にオススメもしないけれど、それでも浦賀氏作品についての評価をこれでまた少し高めてみたりしています。