「ななつのこ」

ななつのこ (創元推理文庫)

ななつのこ (創元推理文庫)

しばらくプライベートでバタバタしていて、本が読めておりませんでした。ようやく、人妻になって初の読了本。
以前から読みたかった本作。「日常の謎」系で、かつ表紙イメージからしてもやわらかい感じ。きっとお気に入りになるだろうなあ…と思っておりました。
うん、期待を裏切らない良作。全体を通して感じられる優しさや温かさ、こういうの好きです。相方をはじめ「北村薫を思い出す」という意見は、確かに…ですが、でも少し違った味があって、私はこちらはこちらで好きです。

あくまで、謎は小さく。しかし「ななつのこ」と出会い、その物語との絡め方が非常にうまい。これはテクニックなのでしょうか。静かなスタートを切る物語。

  • モヤイの鼠

ここで登場するたまちゃんのキャラが好き。思わず少し笑ってしまうエピソードだったり。ま、当人にとっては笑い事ではないですね。

  • 一枚の写真

主人公の心の描き方がうまいなあ…と。女子大生の心。…うん、こういうの、好感が持てます。そして、ふみさんという女性がまた素敵。

  • バス・ストップで

これまた、素敵なエピソード。そして、素敵な出会い。短いけれど、これもひとつの起点となる物語。

  • 一万二千年後のヴェガ

本短編集のなかで、2番目にお気に入りの物語。その絵を想像するだけで、なんとも楽しい。そしてラストへと繋がる大切なお話。

本短編集で1番のお気に入りはコレ。この話は…いいなあ。好きです。ラストといい、とても素敵。心が温まる、優しい友情物語。

物語を締めくくる、そして新たな一歩を踏み出す、そんなお話。ここで明かされる謎は、予想がついてしまうので目を見張るほどのものではないけれど、それでもやはり素敵。優しい気持ちになれる素敵なエンディングでした。


ということで、本作が気に入った私は本日続編であるこちらも購入済み。読み終えたらまた感想を書きます。

魔法飛行 (創元推理文庫)

魔法飛行 (創元推理文庫)