「動機」

動機 (文春文庫)

動機 (文春文庫)

今回も短編集。いや〜、面白かった!! 個人的にかなり満足です。
私の嗜好をご存知の方にはご理解いただけるのではないかと思いますが、表題作「動機」が…もう…!! 「警察手帳が大量に盗まれる」という、ある種地味な事件が起こるのみ。しかしその描き方が見事。読み終わった瞬間、先に読んでいた相方に「これ、ツボ!!」と何度訴えたことか(笑)。本作に納められた4作の短編のなかでも、個人的にはこの表題作が一番です。もちろん他の3作も非常に巧く、面白かったです。(特に書き下ろしの「逆転の夏」はかなり評価します。これも見事でした。)
以前「陰の季節」を読んだときも思ったのですが、非常に人物描写がうまく、またドラマ性が高いため、物語にどんどん引き込まれていきます。こういう「硬派」でしっかりした作品は大好きなので、氏の作品はどんどん読んでいきたいところです。