「スキップ」

スキップ (新潮文庫)

スキップ (新潮文庫)

片桐さんお気に入りの1作ということもあり、ずっと前から読みたかった本作をようやく読みました。
いやー面白い!! ミステリーではありませんが、文句なく面白い作品でした。
私の相方はどうやらこの作品は自分の10年後の姿を想像してしまうために痛くて読めない、と言っていましたが、単純な私はそんな想像もさしてすることなく、あまりの面白さに一気に読んでしまいました。
高校生だった女性が25年間時間を「スキップ」してしまう――。確かにこんなにつらいことはないと思います。しかし彼女がそこで現実に向かって前向きに生きていく姿は、何と美しいことか。憧れさえ抱いてしまうほどに、この主人公は魅力的です。(これを書いたのがまた男性作家であるというのがすごい!! と思ってしまったり。さすがです。)
設定は非現実的ながら、それぞれで描かれる世界があまりにリアルで、この作家の巧さを感じさせます。こういう物語なのに、ものすごく主人公に感情移入してしまいました。
とてもとても、大好きな作品です。