「未完成」

未完成 (講談社ノベルス)

朝香二尉&野上三曹シリーズ2作目。
個人的には非常に待っていました。タイトル自体にも非常に重い意味を持つ作品。
自衛隊の中で小銃が1丁なくなった――。またも非常にシンプルな、たった1つのこの事件が生じるのみ。それだけで一冊読ませてしまいます。この筆力は本当に見事。古処作品には、ページをめくるたびに、常に非常に張り詰めた緊張感が伴う。それにもう私は病みつきなのです。
密室本を、ミステリーを、非常に出して欲しかったのですが、これ以降どうもその願いは叶っておらず…。あなたの良質のミステリーを私は待っているのです。