「砂漠」

砂漠

砂漠

「死神の精度」以来の新刊。私のなかで、発行直後に購入→即読了という数少ない作家の1人となった伊坂氏。今回も思わずニヤニヤしてしまう、ステキな小説でした。この人の書く文章、好きだなあ…としみじみ。


今回はミステリーというより大学生5人を中心とした青春群像劇。氏の作品にはいつも言えることなのですが、相変わらず魅力的なキャラクター。1人飛びぬけてとんでもない存在である西嶋だけでなく、鳥井、南、東堂、学生じゃないけれど鳩麦さん、そして主人公である北村。生き生きとした彼らの様子に、自分の学生時代を重ねて思わず当時の友達に電話をして話し込んだ。
なんてことは、まるでない。


今回、いつもよりニヤニヤ度が増したのは、今までにはあまりなかった「ラブ」の要素。大学時代ってやっぱり、そういうのだよね〜。なんてしみじみ思ってしまったり。クリスマスイブのシーンには、自分のクリスマスの思い出を重ねて、きゅんとしちゃった。
なんてことは、まるでない。


私の大好きな作品とのリンクも出てきて、思わずニンマリ。ミステリーかと言われると違うけれど、伊坂氏らしい企みに満ちた伏線もさらりと挟まれているあたりがスマート。
今回もおもしろかったです。