「春期限定いちごタルト事件」

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

当初、書店で軒並み平積みにされているのを見かけたときは、その表紙に「きっと読まないんだろうなあ…」と微かに思っていたのですが、世間の評判の高さに相方が購入。実際に読んだところ「これはイイよ」と勧めてくれたので、私も手に取ることに。

表紙から推察される通り、おそらくジャンルは「ライトノベル」なのでしょう。でもしっかり、ミステリーしてます。しかも、私の好みである人の死なないミステリー。
日常の些細な謎を、「小市民」たることを志す小鳩くんと小佐内さんの「恋愛関係にも依存関係にもない互恵関係にある」2人(というか小鳩くん)が解決していく連作短編集です。

「羊の着ぐるみ」と「For your eyes only」を読んだときは、さして特別な魅力は感じていなかったのですが、「おいしいココアの作り方」がなかなかにグッド。こういうさらりとした謎の展開は、キライじゃないのです。そしてまた、このあたりから主人公コンビ(カップル?)の過去も少し気になりはじめる感じ。
そして「狐狼の心」を読んだ頃には、ちょっと続編が読みたくなってしまったり。特にキャラクターへの感情移入はありませんし、魅力も感じていないのに、やはり何だか気になっちゃう部分もあったり。微妙にくすぐる感じがイイのかもしれません。
ちなみに本作でもっともお気に入りのキャラクターは堂島姉弟です(笑)。