「亡国のイージス」

古処誠二氏と若干ジャンルが被る(自衛隊ってだけ)ということで前々から気にしていた作家さん。そりゃあ、売れているには理由がありますわな。

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)

これぞエンターテインメント!! と両手を挙げて賞賛したい作品です。ビバ! 亡国のイージス。これはまさに素晴らしい。面白いです。
前評判の高さとジャンル的な問題もあって、近々私自身が購入することになるだろうと思っていたら(しかも映画化されるっていうから、ネタバレされる前に読まなくてはという変な使命感もあり)、相方が職場の先輩から借りてきてくれました。ありがとう。
上下巻で、かなりボリュームがあります。そのためたっぷり時間をかけて読んだおかげで、読後のこの満足感はかなりのものになっています。ものすごく満腹な感じ。
上巻と下巻では若干その印象を変える本作(もともとは別に上下巻に別れていたわけではないのは百も承知ですが)、上巻はミステリー的要素が強め、下巻は冒険モノ的要素が強めといったところ。
前半の展開もかなり好みだったのですが、それ以上に後半のハラハラドキドキの展開は私にはひさびさな感覚で、非常に楽しめました。
全編通して熱い人間ドラマなので、非常にくさかったりうまくいきすぎたりする部分はあるんだけど、そんなことはどうでもいいのです。とにかく面白い!!
さらにラストシーンが素晴らしい…。いいの、うまくいきすぎでも。私は大好きです。このシーンがあるからこそ、結構悲惨な話なのに後味がよい。相方とも言っていたのですが、確かにこのワンシーンだけでも映像化の価値ありでは。
何はともあれ、映画化前に読めて本当によかったと思います。キャストもマトモに見てなくてよかった(笑)。